« 手ブレ | メイン | 橋りょう名 »

2005年07月23日

渡世人伊三郎

先週,本屋で購入した文庫.著者は黒崎裕一郎で,内容はといえば“楊枝をくわえていない木枯し紋次郎”そのまんまです.小説の書き出しからして笹沢佐保の文体を真似ている感じ.相違点は主人公が「あっしには関わりのねぇことで…」というセリフを口にしないことと,長脇差が黒鞘というところ,それに主人公の生い立ちが比較的裕福な農家の次男坊という点くらいかな.
まあ,小説としては手堅くまとまった作品であります.

で,この黒崎裕一郎,ほかに著書として「闇の殺し人」のシリーズなんてのもあります.主人公が南町奉行所の昼行灯な同心で,裏では金で殺しを請け負う凄腕の殺し屋という,朝日放送系で放送されていた必殺シリーズを地でいく設定.ただ,この小説の主人公“仙波直次郎”が,必殺の主人公“中村主水”と違う点は,お淑やかで美人で病弱な奥方を持っていることと,長身の男前で女性にもてるという点ですな.こればっかりは馬面の“ムコ殿”とは違う訳で.(藁)

しかーしこの黒崎裕一郎,小説を書く前は脚本家で必殺シリーズや木枯し紋次郎の脚本を書いていたと言うし,本名が中村勝行で兄の名は敦夫らしいし… 何だかなぁ,パクリものばっかりかよ.しかし,いくらパクリでも火盗改メには手を出せまい.

投稿者 とざわ : 2005年07月23日 12:00

コメント